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納骨堂とは?納骨堂の種類やメリット・デメリットについて解説

永代供養ができるお墓として納骨堂が注目されています。お墓というと屋外のイメージが強いですが、納骨堂は屋内の施設です。今は屋内のお墓は珍しいですが、これからは屋内のお墓が一般化する時代が来るのかもしれません。

今日は納骨堂の基本情報と納骨堂が増えている理由、納骨堂の種類をお伝えします。永代供養ができるお墓を探している方や屋内にあるお墓に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

1.納骨堂はどんなところ?

納骨堂は、個人や家族の単位でお骨を収蔵する屋内施設です。施設内にはたくさんのお骨を収蔵することができ、従来の先祖代々のお墓を一戸建てとするなら納骨堂はマンションに例えられます。昔の納骨堂はお寺の敷地内に建てられた施設で、お墓に納骨するまでのお骨の一時保管場所として使われていました。現在の納骨堂は一時保管ではなく、お墓のようにお骨をずっと収蔵する場所として使われています。

収蔵スペースのかたちによってロッカー式、仏壇式(霊廟型)、自動搬送式、墓石式に分かれます。収蔵できるお骨の数やお供え物を置く場所の有無などが異なります。この後の「納骨堂の種類」で詳しくお伝えします。

運営母体は大きく分けると3つあります。県や市町村の自治体が運営している公営納骨堂、宗教法人・財団法人・社団法人が運営している民営納骨堂、寺院が運営している納骨堂です。申込み時の条件や費用、収蔵スペースのデザイン性などに違いがあります。

 

2.納骨堂が増えている3つの理由

近年、納骨堂の数は増えています。それは納骨堂が現代の日本が抱える問題の受け皿となっているからです。納骨堂が増えている理由を3つご紹介します。

納骨堂が増えている理由①継承者がいなくても大丈夫

昨今の非婚化や晩婚化によって子供がいない人・夫婦が増えています。従来のお墓は継承者が必要ですが、納骨堂は永代供養にすることができるため継承者がいなくても大丈夫です。お一人様・夫婦・家族など人数に合わせて収蔵することができます。

納骨堂が増えている理由②墓地不足

都心では人口が集中しておりお墓を求める人が多いにも関わらず、無縁墓が増えてお墓を建てる土地が不足する“墓地不足”が深刻になっています。納骨堂は1つの施設で多くのお骨を収蔵できるため墓地不足の時代でも安心です。

納骨堂が増えている理由③アクセスの良さ

納骨堂は駅から徒歩圏内にあるなどアクセスが良い場所に建てられることが多いです。そのため、ご自宅から通うのに負担がない場所にお墓をさがしている方や公共交通機関だけで行くことができるお墓を探している方におすすすめです。

また、お墓が他県にある方や高齢になってお墓参りに行くのがつらい方の墓じまい先としても注目されています。

 

3.納骨堂の種類

お骨を収蔵するスペースの形態によって4つに分類できます。

納骨堂の種類①ロッカー式

ロッカー式は、ロッカーのように同じ大きさに区分けされた収蔵スペースに骨つぼを収蔵します。収蔵スペースの扉を開けてそのままお参りするタイプと、骨つぼを取り出して共有の礼拝スペースに置いてお参りするタイプがあります。

費用は抑えられますが、お供え物が置けないことや下段の収蔵スペースになったときに心理的な抵抗を感じる人もいます。

納骨堂の種類②仏壇式(霊廟型)

仏壇式は、お仏壇が並んだようなタイプで上段にお仏壇・下段にお骨の収蔵スペースがあります。上段にはご本尊・位牌・遺影写真・お花などのお供え物を置くスペースがあり、上段の扉を開けるとそのままお参りができます。

費用は高めですが、希望のお供え物を置いてご本尊やお骨に向かってそのまま手を合わせることができる満足感があります。

納骨堂の種類③自動搬送式

自動搬送式は、普段はバックヤードに収蔵されているお骨を共有のお参りスペースに自動で運び出してお参りします。バックヤードはコンピューター制御されており、ご遺族が持っている専用カードの情報を読み込んで故人のお骨を運んでいます。

お参りスペースには共有の墓碑があり、お墓に向かってお参りしている感覚で手を合わせることができます。また、お花やお線香が準備されているので手ぶらでお参りすることもできます。

機械のちからに頼っているため、機械の故障・停電になるとお墓参りができなくなるという心配があります。

納骨堂の種類④墓石式

墓石式は、室内に墓石を建てその中にお骨を収蔵します。一般のお墓と同じようにお花を供えて手を合わせることができます。屋外にあるお墓と同じようにも思いますが、室内という環境なので天候に左右されることなくお参りができたり、雨水でお墓が汚れる、雑草が生える心配がありません。

墓石を建てるため費用は高くなりますが、室内ならではの良さや自分が建てたお墓に入ることができるという良さがあります。

こちらの記事も参考にしてください。

【納骨堂の選び方①】ロッカー式・仏壇式・自動搬送式・墓石式のメリット・デメリット

 

4.お墓を選ぶ前に知っておきたい 納骨堂の8つのメリット

それでは、納骨堂のメリットをご紹介します。

その①永代供養をしてもらえる

永代供養とは、お墓の継承者やお墓参りする人に代わって寺院・霊園が故人の供養やお墓の管理をしてくれることです。配偶者・子どもがいない方、お墓の管理のことで子どもに迷惑をかけたくない方を中心に注目されています。将来お墓参りに来てくれる人がいなくなっても寺院・霊園が責任をもって供養・管理してくれるので安心です。

永代供養では永久にお骨を個別安置してくれるわけではなく、個別安置の期間(永代供養期間といいます)が決まっています。永代供養期間が終わると合祀されて血縁関係がない人たちのお骨と一緒に埋葬されるため抵抗を感じる方もいます。お墓参りに来てくれる家族がいる方は家族にその旨を確認しましょう。

その②檀家になる必要がない

寺院墓地にお墓を建てる場合、そのお寺の檀家になる必要があります。檀家になると供養や管理を手厚くしてもらえる一方、お寺を経済的に支えるために入檀料(檀家になる時の費用)、お布施、離檀料(壇家をやめる時の費用)などが必要になります。戒名をいただいたり、卒塔婆を書いていただくのも基本的には檀家になっている菩提寺にお願いします。

納骨堂は檀家になる必要がありません。たとえ寺院が運営している場合でも、納骨堂であれば檀家にならなくてよいところがほとんどです。

その③宗旨・宗派不問

納骨堂は生前に信仰していた宗教や仏教の宗派を問われることはありません。寺院運営の場合でも宗旨・宗派不問のところが多く、納骨堂を契約するために宗教や宗派を変える必要はありません。ただし、信仰している宗教・宗派のスタイルで供養して欲しい場合には注意が必要です。

その④お墓のお手入れが簡単

納骨堂は屋内施設なので雨・風にさらされてお墓が汚れたり、雑草が生える・枯葉が落ちてくることもありません。そのため、納骨堂での納骨スペースのお手入れはホコリを軽く払うだけで良く大変簡単です。個人専用の供養スペースがない自動搬送式の納骨堂ではお手入れの必要さえありません。

その⑤天候に左右されず、冷暖房・トイレ完備で24時間いつでもお参りが可能

納骨堂の特徴はなんと言っても屋内施設であるということです。屋内施設のため雨や雪でお参りができないということはなく、冷暖房完備でいつでも快適な温度の中でお参りができます。トイレも完備されており、24時間好きな時にお参りができるのも良い点です。バリアフリー化されている施設もあり、将来足腰が弱くなったり車イスでお参りすることになった時も安心です。

その⑥お通夜・お葬式から納骨まで同じ施設でできる

納骨堂の施設は遺骨を収蔵するスペースだけでなく、法要施設や会食スペースもあります。そのため、お通夜・お葬式と納骨までをすべて同じ施設内で行うことができ、移動する手間・負担がかかりません。車・バスの手配や行き先までの道案内は意外と大変なものです。

また、一周忌や三周忌などの法要も納骨堂で行うことができます。

その⑦お墓に比べて費用を抑えることができる

納骨堂を契約する場合、一人用であれば10~50万円、家族用は100万円位が相場です。

一方、お墓を建てる場合は、永代使用料や墓石・施行費など一式で300万円位が必要になります。納骨堂でもお墓でもオプションやグレードの高いものを求めようとするとさらに高くなりますが、費用の差は歴然です。

その⑧改葬することになっても安心

改葬はお墓のお引越しとも呼ばれ、現在納骨しているお墓(納骨堂)から別のお墓(納骨堂)にお骨を移すことです。

例えば、子どもに負担をかけたくないと思って納骨堂を選んだ場合、将来子どもが自分のお墓を建てた時に両親の遺骨も一緒に埋葬したいと思うかもしれません。この時、納骨堂であれば遺骨と位牌の移動だけで改葬が完了します。一方、お墓を建てた場合は、墓石を処分してお墓の場所を整地して返す必要があります。業者に依頼する必要があり、手間も費用もかかります。

ただし、納骨堂で永代供養にしている時は永代供養期間が終わる前に改葬しないといけません。永代供養期間が終わると合祀されて特定の個人の遺骨を取り出すことができなくなります。

 

5.納骨堂のデメリット5つ

たくさんのメリットがある納骨堂にもデメリットがあります。

その①収蔵できるお骨の数に制限がある

納骨堂は1区画に収蔵できるお骨の数に制限があります。区画の規模によって差はありますが、ロッカー式は1~4名、仏壇式は10名、自動搬送式は8名、が目安です。契約をする時には一緒の納骨堂に入る人を検討して人数にあったタイプを選ぶと思います。しかし、契約後、急に人数が増えた場合は大きなサイズの納骨堂を契約し直す必要が出てくるかもしれません。収蔵人数ではなくお骨の重さで制限(例:30kgまで)しているところもあるので、予期せぬ追加納骨に対応できるかどうか確認しておきましょう。

その②従来のお墓参りができない

納骨堂は屋内施設のため、お線香・ローソクなど火を使うものを禁止している場合があります。また、生花・お酒などのお供え物を置くスペースがない場合や、スペースがあったとしても衛生面の点からそのまま置いて帰ることができない場合もあります。

先祖代々のお墓の時にしていたようなお墓参りができないことに物足りなさを感じる人もいるため、将来お墓参りに来てくれる家族・親族がいる方はあらかじめ確認する必要があります。

その③地震・火事などの災害時、他の方のお骨と混ざる可能性がある

地震・火事などの災害時、建物が揺れたり倒壊したりすると個別に収蔵されていたお骨が混ざり合う可能性があります。残念ながら、一度混ざってしまったお骨を完璧に戻すことはできません。建物の強度(耐震設計、火災に強い材質、など)を確認すると共に、万が一、お骨が混ざってしまった時の保証があるかを確認しましょう。

その④建物が老朽化した際の工事費用の心配

納骨堂の建物が老朽化して建て替えをすることになった場合、その工事費用の負担をお願いされる可能性があります。建て替えや修繕工事が必要になった時は、費用負担する必要があるかを契約書などで確認しておきましょう。

その⑤永代供養期間が終わると合祀(ごうし)される

永代供養期間とは、お骨を個別に安置してもらえる期間のことです。この期間が終わるとお骨を骨つぼから取り出し、血縁関係がない他の人のお骨と一緒に1つの場所へ納骨します(このことを合祀と言います)。合祀後は、それまでお骨を安置していた個別スペースはなくなり、新しく契約した人のスペースになります。

ただし、個別スペースから別の場所にお骨を移すだけで合祀をせず永久に個別安置をしてくれる納骨堂もあります。納骨堂を希望している方で合祀されることだけがネックになっている場合は、個別安置を続けてくれる納骨堂を探してみる価値はあります。

 

6.このようなタイプの人には納骨堂をおすすめしません

永代供養付きの屋内施設であることが特徴の納骨堂ですが、その特徴を受け入れることが難しい方にはおすすめできません。

 

・太陽の光・そよ風・草木など自然を感じながら眠りたい人、死後は土に還りたい人

納骨堂は屋内施設のため、雨・風・雪など過酷な環境にさらされることがない代わりに、太陽の光・そよ風・草木など心地よい自然の環境にもさらされません。良い意味でも悪い意味でも常に快適にコントロールされた屋内に眠ることになります。

また、死後は土に還りたいと思っている人も納骨堂をおすすめできません。納骨堂は屋内施設なので土に埋葬されることはありません。

・従来の方法でお墓参りをしたい人、家族・親族が反対している方

納骨堂では、従来のお墓参りで行うお墓の掃除やお線香・生花・お供え物での供養ができません。その点で家族・親族が抵抗を感じる場合もあります。残される家族への負担がないようにお墓の掃除がないことをメリットと考えていても、お墓を掃除することで亡くなった人への感謝を示している・心が落ち着くと考える人もいます。

・墓石のお墓にこだわりがある人

納骨堂の多くはロッカー式や仏壇式、自動搬送式の墓石ではない個人スペースです。墓石式(室内墓石型)と言って室内に墓石を置いて供養できるタイプもありますが、数は多くありません。また、すでに準備されている墓石を使用したり、限られたデザインの中から選ぶタイプになってしまいます。

【納骨堂の選び方②】納骨堂選びでチェックしたい6つのこと

 

まとめ

今日は納骨堂の基本情報と納骨堂が増えている理由、納骨堂の種類をお伝えしました。

納骨堂の種類は4つあり、お骨を収蔵する環境も手を合わせる環境もそれぞれに違いがあります。大切なお骨をどのような環境で収蔵したいのか、お参りするご遺族がどのような環境で手を合わせたいのか、ご希望に合う納骨堂を探してみてくださいね。