終活の一環として生前整理を進めるなら、保険の契約についても整理をしなければいけません。では、保険を整理するには、どのような流れで進めるのがベストなのでしょうか。
今日は、保険契約を整理する方法について紹介します。4つのステップに分けて紹介しますので、一気に進めようとせず、まずはステップ1からじっくり取り組みましょう。
目次
終活で保険契約を整理する方法
ステップ1.加入している保険契約を書き出す
保険の契約を整理するには、加入している保険契約を全て把握する必要があります。
中には、保険証券は残っていても、実は既に解約済みである保険契約が紛れているかもしれません。そういった保険契約を見逃さないためにも、保険証券だけでなく引き落としの状況とも照らし合わせながら1つ1つの保険契約をチェックしてみましょう。
このときに書き出すべき項目は、次の3つです。
- 保険会社名、保険の種類
- 契約内容、証券番号など
- 証券の保管場所
書き出す際は、保険の種類ごとに分けておくと後で分かりやすいですね。
例えば、保険の種類には
- 生命保険(死亡保険)
- 医療保険、がん保険
- 生存保険、個人年金保険
- 所得補償保険
- 火災保険、地震保険
- 自動車保険、自転車保険
などがあります。
書き出す契約内容については、以下の項目を参考にしてみてください。
- 証券番号
- 契約者名、被保険者名
- 保険料、引落先
- 保険期間、満期年月日
- 保険金額、入金指定口座
- 保険金の受取人
- 保険会社の担当者名、連絡先
後ほど、保険の契約を整理した後にきちんと分かりやすく終活ノートにまとめますので、この段階では自分の分かりやすいように書き出していただければ大丈夫です。
まずは、自分が加入している保険をしっかり把握しましょう。
ステップ2.自分に必要な保険を見極める
全ての保険契約を洗い出したら、次は今の自分にとって必要な保険を見極めます。
不要な保険は解約し、足りない保険があれば新たに加入するのもよいでしょう。
保険の契約には、大きく分けて2つの種類があります。それは、「リスクに備えるための保険」と「貯蓄的な役割を果たす保険」です。
そして、終活をするタイミングによっても、見直すべき保険契約は異なります。
もしあなたが50代以上の年代で終活を始めたなら、「リスクに備えるための保険」を見直してみてはいかがでしょうか。
これまでは、家族の生活を保障するために死亡保険が必要だったかもしれません。しかし、もし子どもがそれぞれに自立した生活をしているのであれば、あなたが他界した後の生活費を心配する必要はないと考えられます。
この場合に必要なのは、あなたが亡くなった際に必要となる費用と同等の補償です。
具体的には、
- 葬儀の費用
- 債務返済に充てる資金
- 遺品整理にかかる費用
などをしっかり遺族に残してあげられれば、それで十分だと考えられます。
もし高額な死亡保険に加入しているなら、このタイミングで保険金の減額や解約を検討してみてもよいかもしれません。
保険の見直し方については人それぞれの価値観によるところが大きいため、何を残すべきかを断言することは難しいものです。ただ、誰がどう考えても必要ないと言い切れる保険があるなら、これを機に見直してみるとよいでしょう。
自分だけで判断するのが難しい場合は、家族や保険の専門家などに相談してみるのもオススメです。
ただ、かなり古い保険については、解約すると後悔する可能性があります。場合によっては、あと何年か契約しておくことで解約の返戻金を多くもらえるケースがあるかもしれません。
そういったことに気付くためにも、保険契約を洗い出す際には契約内容についてなるべく具体的に書き出しておきましょう。
ステップ3.書類を1か所にまとめる
保険の契約をある程度まで整理できたら、次は書類の整理です。
終活における生前整理では、大事なものをなるべく1か所にまとめておくことをオススメします。その方が遺族にとっても見つけやすく、自分でも定期的に整理しやすいからです。
書類を保管する場所は、ファイルでも箱でも構いません。
ただ、定期的に整理する必要があることを考えると、やはりファイルに収納するのがベストでしょう。最近では重要な書類の専用ファイルも市販されていますし、保険関係の書類を保管するならジャバラ式のファイルも便利です。
保険証券はもちろんのこと、保険の約款(やっかん)や、定期的に送付されるお知らせなども、1か所にまとめて保管しておきます。定期的に送付されるお知らせについては、全てを収納すると保管する書類が膨大になってしまいますので、その都度、前回に届いたものと入れ替えましょう。
ステップ4.終活ノートに記す
生前整理の一環で保険の整理をするなら、終活ノート(エンディングノート)に書き記しておくことも大切です。
終活ノートには、
- 保険会社名、保険の種類
- 契約内容、証券番号
- 証券の保管場所
などを分かりやすく書いておきましょう。
細かい契約内容については証券や関係書類を確認すれば分かりますので、終活ノートには「どんな場合にどんな保険が下りるのか」を簡潔に記します。
どんな保険も、請求しない限り勝手に入金されることはありません。
受取人が受け取れることを知らないまま請求しなければ、せっかく加入した保険も意味がなくなってしまいます。
終活ノートは、あなたが亡くなったときだけでなく、ケガや認知症などによって入院が必要となった場合にも役立つものです。いざというときのために、誰が読んでも分かるよう、具体的に分かりやすく書いておきましょう。

まとめ
今日は、保険契約の整理方法を4つのステップに分けて紹介しました。
保険契約の整理および見直しは、思いのほか大変な作業です。冒頭でもお伝えしたとおり、1日で一気に進めようとは考えず、少しずつ進めることをオススメします。とはいえ、保険の整理は終活において大切な作業です。後回しにし過ぎないよう注意してくださいね。