相続で必要な生まれてからの戸籍の取り方と専門家選び

預貯金の名義変更、不動産の相続、相続税の申告など、相続の手続きで必要となってくるのが被相続人の生まれてからの戸籍謄本です。 生まれてからの戸籍謄本とは、文字通り現在の戸籍謄本を含め … 続きを読む 相続で必要な生まれてからの戸籍の取り方と専門家選び

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預貯金の名義変更、不動産の相続、相続税の申告など、相続の手続きで必要となってくるのが被相続人の生まれてからの戸籍謄本です。

生まれてからの戸籍謄本とは、文字通り現在の戸籍謄本を含め、生まれてから亡くなるまで変更があった分も含めた戸籍謄本のこと。

実際に生まれてからの戸籍謄本を請求する場合どうすればよいのか、必要な戸籍謄本の種類と手続きの方法を解説します。

相続には生まれてからの戸籍が必要

相続税の申告や預貯金の名義変更など、相続を受ける際、戸籍謄本の取り寄せが必要となります。
理由は、法定相続人であることの客観的な根拠を示し、相続人を確定するためです。

ちなみに、戸籍謄本に似たもので戸籍抄本がありますが、戸籍抄本は申請者本人の情報に限定されたもの。
相続人と被相続人の関係性がわからないので、必ず親や兄弟、配偶者、あるいは養親子、後見人など、相続に関連する人物の記載がされている戸籍謄本を取り寄せるようにしましょう。

被相続人が必要な戸籍謄本

被相続人、相続する側で必要な戸籍謄本は、基本的に生まれてから相続までの3種類の戸籍謄本です。

・戸籍謄本(現在)
・除籍謄本
・改原籍謄本

現在の戸籍謄本はもちろん、生まれてから相続時までに戸籍謄本の変更があった場合は、その分の戸籍謄本も必要となります。

婚姻や死亡などで除籍されるときの除籍謄本、法改正により戸籍改正があった場合の改正前の戸籍である改原籍謄本です。

相続人すべての戸籍を揃える

被相続人の出生から死亡するまでの戸籍謄本で相続に関係する人物が洗い出されますが、あくまで関連性を示すもので十分とは言えません。
次に、相続人が存命かどうかの根拠を示す必要があります。

そこで必要となるのが、相続人すべての戸籍謄本です。
ただし、相続人の場合は被相続人のように生まれてから相続までの戸籍謄本を用意する必要はなく、現在の戸籍謄本のみとなります。

また、必ず必要なわけではなく、被相続人の現在の戸籍謄本に記載があるときは、準備の必要がない場合もあります。

生まれてからの戸籍を集める方法とは

現在の戸籍謄本を集めるのは比較的容易ですが、生まれてからの戸籍謄本の請求は本籍地をたどる必要があるため少し複雑です。
出生から死亡までの戸籍謄本の集め方を順に解説します。

まずは本籍地を知ることから

戸籍を集めるには、まず被相続人の現在の本籍地を知る必要があります。
本籍地がわからない場合は、本籍地記載の住民票を取り寄せることによって確認が可能です。
現住所と本籍地は違う場合があるので、本籍地を確認したうえで手続きを開始しましょう。

本籍地の窓口で戸籍謄本を取り寄せる

本籍地がわかったら、本籍地のある市町村役場の窓口で戸籍謄本を請求します。
戸籍謄本の取得では、印鑑(認印可)と請求者本人の確認書類、各市町村に設置されている申請書が必要です。

戸籍謄本で請求者と被相続人との関係がわからない場合は関係性が証明できるもの、代理人請求の場合は委任状も用意しておきましょう。

どの戸籍謄本が必要かわからない場合は、担当者に生まれてからの戸籍謄本がすべて必要なこと、相続で必要なことを伝えると安心です。

本籍地に変更があれば戸籍をたどる必要がある

出生から死亡まで被相続人の本籍地に変更がなければ、現戸籍謄本からたどった本籍地がある市町村役場のみでの戸籍謄本請求で済みます。
しかし、実際は本籍地1つだけで資料請求が終了することは多くありません。

生まれてから亡くなるまでに本籍地の変更があった場合は、さらに本籍地をたどって請求していく必要があります。

戸籍謄本は郵送でも取り寄せられる

取り寄せが複数に及ぶ場合、あるいは請求者の居所と本籍地が離れていた場合は、窓口で手続きをするのが困難です。

戸籍謄本の取り寄せは、申請書と本人確認書類のコピー、定額小為替、返信用切手と封筒を用意すれば郵送でもできます。

本籍地が多い場合などは郵送での手続きを活用すると便利です。
ただし郵送での取り寄せはタイムリーに手続きに関する質問ができないこと、定額小為替が足りないと二度手間になってしまうことに注意しましょう。

生まれてからの戸籍集めは専門家に依頼

1ヶ所の手続きですべて完了すればよいですが、生まれてからの戸籍謄本集めには労力がかかるものです。

また、子どもがいない場合で、兄弟や孫に相続される場合はさらに必要な戸籍謄本が増えます。
どの戸籍謄本が必要か、だれの戸籍謄本が必要か見極めるのも困難になってくるでしょう。
自身での戸籍集めが難しい場合は、専門家の力を借りるのも1つの手段です。

手続きが難しい場合は専門家へ

相続で生まれてからの戸籍謄本を請求したい場合、頼れる専門家は行政書士、司法書士、そして弁護士などです。

手続きに慣れている専門家に依頼することで、手続きにかかる時間を節約することができますし、自分自身の負担も減ります。

どのように手続きしてよいかわからない場合、戸籍の請求が困難を極める場合は専門家へ相談、または依頼してみましょう。みんなの相続相談・大阪ならわかりやすい解説で安心して依頼することができます。

戸籍謄本の解読が難しい場合にもおすすめ

生まれてからの戸籍を請求する場合、法改正前の改正原戸籍が必要な場合があります。
こうした改正原戸籍などは書式が古く、さらに大正など時代が古いと手書きで記載されていることも少なくありません。

手書きの場合、手続きに慣れていないと解読するのが難しいこともあります。
その点、専門家はこの手の手続きを熟知しているので安心です。

専門家で調査対象を見極めてもらう

専門家への依頼は、調査対象を見極めてもらうメリットもあります。
配偶者や子などのように相続人が明確であればよいですが、家族構成が複雑だと、どこまで相続人で、どこまで調査する必要があるかわかりにくくなります。

調査対象を明確にしてもらって、正しく相続の手続きをするためにも専門家への手続きの依頼は意味のあるものになるでしょう。

まとめ

生まれてからの戸籍謄本は、現戸籍謄本を含め複数に渡ります。
さらに、相続する人、本籍地の変更によって請求が複雑化するため、自身で行なうと期間を要したり、相続の範囲を誤ってしまったりすることも少なくありません。

確実かつスマートに相続を済ませるために、戸籍謄本の取り寄せを専門家へ依頼する選択肢も頭に入れておきましょう。